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メタクリル酸メチル(MMA)等のアクリル、メタクリルモノマーと共重合しアクリル樹脂(PMMA)に帯電防止性を付与できます。
表面固有抵抗を1012-13Ω/m2付近まで低下させ、アクリル樹脂表面へのホコリの付着を防止いたします。
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共重合するため水拭き後も帯電防止性(ほこり付着防止効果)を維持します。
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共重合した際、アクリル樹脂(PMMA)の透明性への影響を与えることなく帯電防止性を付与可能です。
アクリル樹脂(PMMA)は透明性にすぐれるプラスチック素材であるため、アクリル板、水槽、各種照明等、透明性が求めらられる様々な用途に使用されております。一方でアクリル樹脂単体としては、樹脂自体は電気を通さず、さらに疎水性であることから静電気を逃がしてくれる水分が表面に少なく、静電気が逃げにくくホコリが付着しやすい物質と言えます。
アクリル樹脂の表面に帯電防止性を付与する方法として、帯電防止成分を表面に塗布する等の方法が考えられますが、これらの帯電防止成分は一般的に親水性の高い物質であることから、水拭きやアルコール消毒等の清掃時にはがれやすいことが懸念されます。
アクリル樹脂はメチルメタクリレート(MMA)等のモノマーをラジカル重合させることによって製造されます。ラジカル重合性帯電防止剤『エレミノールJS-140』はラジカル重合性を有する成分を含有していることから、MMAのラジカル重合に配合して共重合させることにより、アクリル樹脂自体に帯電防止性を付与することが可能です。(特に表面に帯電防止成分を偏在させやすいキャスト法に適した重合性帯電防止剤となります)
※各用途における適性および安全性は、使用者の責任においてご判断ください。
<試験方法>
・帯電防止性(表面固有抵抗)の評価:JIS K 6911に従い実施した。
・ほこり付着試験:帯電防止性評価後の試験片を布で20回擦り帯電させたのち、埃を付着させた様子を観察した。
・水拭きサイクル試験:水に浸したタオルを軽く絞り、アクリル板試験片の表面と裏面をそれぞれ2回拭いた。イオン交換水で試験片の表面と裏面を洗った後、20℃、65%RHで一晩乾燥させて帯電防止性の評価及びほこり付着試験を実施した。これを10回繰り返した。
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エレミノール JS-140を添加したアクリル板(左側)にはほとんどホコリが付着しておりません。
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エレミノール JS-140を添加した板(左側)では水拭き10回後においても、ほとんどホコリが付着しておりません。
表 PMMA樹脂添加時の物性(厚さ3㎜のPMMA板)
項目 | 試験方法 | JS-140 5wt%配合 |
ブランク |
---|---|---|---|
表面固有抵抗値 Ω |
JIS K6911 | 1012-13 | >1016 |
全光線透過率 % |
JIS K7361-1 | 92.1 | 92.1 |
引張強さ MPa |
JIS K7162 | 59 | 68 |
曲げ強さ MPa |
JIS K7171 | 100 | 118 |
<作成方法>
・重合方法:キャスト重合法
・成形サイズ:210mm×150mm×3mm
・添加量:JS-140 5重量部
図.エレミノール5重量部添加PMMAキャスト板外観
項目 | 代表値 |
---|---|
構造 | スルホコハク酸型界面活性剤 40%* ポリエチレングリコール 60% |
外観 | 淡黄色~黄色液状 |
凝固点 | 5℃以下 |
粘度(25℃) | 100mPa・s以下 |
国 | エレミノール JS-140登録 |
---|---|
日本(ENCS) | あり |
米国(TSCA) | あり |
カナダ(DSL) | あり |
オーストラリア(AICS) | なし |
韓国(ECL) | あり |
中国(IECSC) | あり |
フィリピン(PICCS) | なし |
スイス(EINECS) | なし |
欧州(REACH) | なし |
台湾 | あり |
ニュージーランド(NZIoC) | なし |
注意事項
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