イオン液体

イオン液体とは

塩(カチオンとアニオンからなる化合物)の中でも融点が低く、室温付近で液体のもの。

無機塩とイオン液体の外観の比較

イオン液体の主な特長

1

低融点

イオン性化合物は一般に融点が高いが、イオン液体は相互作用を弱め、結晶性を抑制する構造を持つため融点が低い。

電子吸引基等によりイオン性基の電子密度が​低下していると融点が低くなる

2

低揮発性

イオン間の電気相互作用が存在するために蒸気圧が非常に低い。​揮発による大気汚染や引火の懸念が少ない。

有機溶媒とイオン液体の違い
有機溶媒イオン液体
  • 揮発性
  • 大気汚染や引火の懸念
  • 低揮発性
  • 大気汚染や引火の懸念が少ない
各液体の蒸気圧

3

高イオン濃度・高伝導性

イオンのみで構成されるため、高イオン濃度かつ単独で高い電気伝導性を有する。

各液体の電気伝導度

イオン液体の産業用途例

​【イオン液体の産業的用途その1】コンデンサ用電解液 

コンデンサ用電解液にイオン液体を使用する理由

  • 低融点:低温でも析出しない​
  • 高電導性:電解質の高濃度化による高電導性発現が可能

イオン液体と一般アミン塩の電導度および低温での溶解性データ

当社電解液
(イオン液体)
トリエチルアミン・フタル酸
(非イオン液体)
​電導度 mS/cm​(@30℃) 14.2​ 6.0​
低温溶解性(-55℃)​ ○(溶解)​ ×(析出)​

イオン液体による高電導度化

​【イオン液体の産業的用途その2】CO2ガス吸収剤  

イオン液体が使われる理由

  • 低揮発性:工程中での損失が少ない​
  • 設計自由度:選択的にCO2を吸着しやすい構造をとることが可能​
     (1)かさ高い構造を持つため隙間に吸着させる(物理吸着)​
     (2)CO2と反応させて吸着させる(化学吸着)
CO2ガス吸収の仕組み

※各用途における適性および安全性は、使用者の責任においてご判断ください。

関連情報

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