スルホサクシネート型アニオン界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na)『サンモリン OT-70』

三洋化成のスルホサクシネート型アニオン界面活性剤
(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)
『サンモリン OT-70』はここがすごい

1

優れた湿潤・浸透力

サンモリン OT-70』は、界面活性剤の中でも特に優れた浸透力と表面張力低下能を有する、スルホサクシネート型アニオン界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)の約 70 質量%溶液(溶媒としてプロピレングリコール、水を含有)です。
金属・家具類の洗浄などの用途で優れた湿潤・浸透力を発揮します。

2

優れた乳化・分散力

サンモリン OT-70』は、優れた乳化・分散力を有しています。
農薬粒剤や顔料の湿潤・分散、乳化重合、エマルションの乳化破壊などの用途で用いられています。

『サンモリン OT-70』は、界面活性剤の中でも特に優れた浸透力と表面張力低下能を有するスルホサクシネート型アニオン界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの約70質量%溶液)です。


図 『サンモリン OT-70』主成分分子構造
(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)

外観 淡黄色液状
pH 約6(1質量%水溶液)
有効成分  約70質量%(150℃、90分間乾燥での蒸発残分)

スルホサクシネート型アニオン界面活性剤
(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)
『サンモリン OT-70』の用途例

家庭用洗浄剤

『サンモリン OT-70』を家庭用洗浄剤の成分として配合しますと、換気扇やガスレンジに付着した油汚れなどに対する浸透力を高め、洗浄力を向上させることができます。

レンジクリーナー配合処方例
配合原料名 配合量(質量比)
① サンモリン OT-70 (スルホサクシネート型アニオン界面活性剤) 0.4
② エタノール 30.0
③ イソプロピルカルビトール 10.0
④ 水 残量
合計 100.0

紙塗工液の濡れ性向上剤

塗工紙製造時の、塗工液の紙への濡れ性を向上させる目的で、『サンモリン OT-70』が使用されています。
『サンモリン OT-70』は、塗工液に添加して使用されます。なお、添加量は、塗工液の配合処方や、紙の種類によって異なりますが、一般的には紙に対して 20~100ppm です。

スチレンの乳化重合用乳化剤

『サンモリン OT-70』は、乳化重合用乳化剤として単独使用、または非イオン界面活性剤と併用され、粒子径の大きなエマルションの乳化重合に好適です。

塗料・インキ用顔料分散剤

『サンモリン OT-70』は、水性・エマルション塗料用の分散剤に好適です。疎水性顔料に対して高い湿潤性を与えます。

農業用途

・農薬用粒剤用崩壊拡展剤(分散剤兼結合剤):界面活性剤の中でも特に優れた浸透力を有し、粒剤に崩壊拡展性を付与します。
・農薬用展着剤用基剤:薬剤に、植物や害虫に対する展着性を付与します。

スルホサクシネート型アニオン界面活性剤
(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)
『サンモリン OT-70』の性能試験

 浸透力

『サンモリン OT-70』は、下図に示しますように、優れた浸透力を示します。

『サンモリン OT-70』濃度(有効成分)と浸透力の関係

〔試験方法〕
試 料
 『サンモリン OT-70』およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを水で所定濃度(有効成分)に希釈し試料とした。

測定方法

 脱脂した綿キャンバス片(15×15×0.7mm)を、20℃に調節した試料に静かに浮かべ、綿キャンバス片が水面下に没し沈降し始めるまでに要する時間を測定した。
要する時間が短いほど浸透性が良好であることを意味します。

表面張力低下能

『サンモリン OT-70』は、下図に示しますように、優れた表面張力低下能を示します。

図 『サンモリン OT-70』の濃度(有効成分)と表面張力の関係

〔試験方法〕
試 料
 『サンモリン OT-70を水で所定濃度(有効成分)に希釈し試料とした。

測定方法

 ウィルヘルミー式自動表面張力計[協和界面化学㈱製(CBVP-A3 型)]を用いて、25℃で試料の表面張力を測定した。

スチレンの乳化重合用乳化剤としての乳化力

『サンモリン OT-70』をスチレンの乳化重合用乳化剤として用いた場合の乳化力を、下表に示します。

 乳化力の比較評価結果
測定項目\乳化剤

サンモリン OT-70
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム

(比較例)
ラウリルサルフェートナトリウム
(比較例)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
モノマー重合転化率
質量%
99 99 99
ポリマーエマルションの粘度
mPa・s(25℃)
150 重合中にゲル化し
測定不可能
重合中にゲル化し
測定不可能
ポリマーエマルションの粒径
(μm)
0.1以下
ポリマーエマルションの安定性
(25℃)
1年以上安定

〔試験方法〕
試 料

 下図の方法で調製したポリマーエマルションを試料とした。


 図 試料の調整方法

モノマー重合転化率の測定方法
 試料を130℃で 90分間乾燥後に質量を測定し、ポリマーエマルションの理論蒸発残分量に対する質量の百分率をモノマー重合転化率とした。

ポリマーエマルションの粘度の測定方法
 BL型粘度計を用いて、25℃、60rpm で測定した。

ポリマーエマルションの粒径の測定方法
 動的光散乱法により試料中のエマルション粒子のキュムラント平均粒径を測定した。

ポリマーエマルションの安定性の測定方法
 試料を 25℃の恒温槽で保存し、所定期間毎に外観を目視判定した。

『サンモリン OT-70』の温度-粘度曲線

『サンモリン OT-70』の温度-粘度曲線を下図に示します。

『サンモリン OT-70』の温度-粘度曲線

[試験方法]
試 料 

 『サンモリン OT-70』を試料とした。

測定方法 
 BL型粘度計を用いて、所定温度で試料の粘度を測定した。

スルホサクシネート型アニオン界面活性剤
『サンモリン OT-70』の使用方法

・ 単独、あるいは他の界面活性剤(カチオン界面活性剤は除く)と併用して湿潤剤、浸透剤、家庭用や工業用の洗浄剤、乳化剤および分散剤などに使用できます。

・ 使用濃度は、用途や併用する薬剤の種類などによって異なりますが、標準的には 0.05~10 質量%です。

誤使用に対する注意事項
 『サンモリン OT-70』は、アニオン系ですのでカチオン系薬剤と併用すると、凝集物を生じ所期の性能を発揮しない恐れがあります。カチオン系薬剤との併用は避けてください。
・『サンモリン OT-70』は、強アルカリ性や強酸性下で使用しますと、加水分解して効果を失う恐れがあります。強アルカリ性や強酸性下では使用しないでください

本品を取り扱うにあたっては、本品および副資材(化学品)の「安全データシート」(SDS)を事前に必ずお読みください。なお、SDSはこちらからも入手できます。 https://www.sanyo-chemical.co.jp/products/sds/

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