1
三洋化成の『メタクリレート』シリーズは、分子内に二重結合と第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を有したアミノ/4級アンモニウムアルキルメタクリレート誘導体モノマーです。単独での重合または他のビニルモノマーと共重合させることによって、水溶性や親水性、帯電防止性や導電性、アニオン性化合物との吸着性や反応性などを有したポリマーが得られるため、これらを付与する高分子改質剤として有用です。
2
アミノ/4級アンモニウムアルキルメタクリレート誘導体モノマー『メタクリレート』シリーズは、いずれも単独での重合や他のビニルモノマーとの共重合が可能です。重合は、通常のアゾ系や過酸化物系のラジカル開始剤の他、紫外線、熱などで容易に開始させることができます。
商品名 | 化学構造式[化学名] | 備考 |
---|---|---|
メタクリレート DMA | [ジメチルアミノエチルメタクリレート] | MEHQ *1 1000ppm含有 |
メタクリレート DMC-80 | [メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド] | 78.5質量%水溶液 MEHQ *1 2000ppm含有 |
メタクリレート DMB-60 |
| 59質量%水溶液 MEHQ *1 290ppm含有 |
アミノ/4級アンモニウムアルキルメタクリレート誘導体モノマー『メタクリレート』シリーズは、分子内に二重結合とアミノ基/カチオン基を有しており、単独での重合または他のビニルモノマーと共重合させることによって、得られるポリマーにアミノ基/カチオン基による以下の性質を付与する用途に用いられています。
・ 親水性の付与(親水性や親油性をコントロールしたり、水溶性にできる)
・ アニオン性化合物(酸性染料など)に対する反応性や吸着性の付与
・ 負コロイド(下水汚泥、セルロースなど)に対する凝集性の付与
・ 帯電防止性、導電性などの電気的特性の付与
高分子凝集剤(カチオン性モノマーの重合物)
電気透析や逆浸透用の高分子膜、イオン交換樹脂など(カチオン性モノマーの三次元架橋物)
住宅などの外装・内装のスレート、コンクリ、モルタルなどの表面の下地処理材
ヘアケア製品のコンディショニング剤など
医療用途徐放性製剤、医療用チューブなど
排水処理剤(カチオン性モノマーとパルプなどのセルロースとのグラフト重合物)
紙力増強剤、抄紙時のろ水性・ 歩留り向上剤などの紙用薬剤(カチオン性モノマーの重合物)
※各用途における適性および安全性は、使用者の責任においてご判断ください。
アミノ/4級アンモニウムアルキルメタクリレート誘導体モノマー『メタクリレート』シリーズの主な性状と物理的性質を下表に示します。
商品名 | メタクリレート DMA | メタクリレート DMC-80 | メタクリレート DMB-60 |
---|---|---|---|
化学品名 | 2-(ジメチルアミノ)エチル=メタクリレート | メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド (78.5質量%水溶液) | メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド (59質量%水溶液) |
外観 | 無色液状 | 無色液状 | 淡黄色液状 |
ハーゼン単位色数 | 10 | 10 | 20 |
純分 質量% | 99.8 | 78.5 | 59.0 |
pH (製品そのもの) | ー | 6.0 | 8.0 |
比重 (20℃/4℃) | 0.94 | 1.11 | 1.09 |
『メタクリレート』シリーズは、いずれも単独での重合や他のビニルモノマーとの共重合が可能です。重合は、通常のアゾ系や過酸化物系のラジカル開始剤の他、紫外線、熱などで容易に開始させることができます。
メタクリレート DMA、メタクリレート DMC-80のQ、e値、他の各種ビニルモノマーとの共重合反応性比r1およびr2をそれぞれ示します。
商品名 | メタクリレート DMA | メタクリレート DMC-80 |
---|---|---|
Q値 | 0.68 | 1.49 |
e値 | 0.48 | 0.27 |
モノマー1 | モノマー2 | r1 | r2 |
---|---|---|---|
メタクリレート DMA | スチレン | 0.37 | 0.53 |
メタクリレート DMA | 酢酸ビニル | 15.6 | 0.035 |
メタクリレート DMA | n-ブチルアクリレート | 1.61 | 0.61 |
メタクリレート DMA | 2-エチルヘキシルアクリレート | 1.59 | 0.63 |
メタクリレート DMA | メチルメタクリレート | 0.88 | 1.12 |
メタクリレート DMA | 塩化ビニル | 29.7 | 0.03 |
メタクリレート DMC-80 | アクリルアミド | 1.71 | 0.25 |
なお、『メタクリレート』シリーズは、いずれも加水分解することによって相当するアミノ/4級アンモニウムアルコールとメタクリル酸を生成します。また、他のアクリレートやメタクリレートと同様に二重結合への付加も受けます。
配管などに残存したままで放置しますと、重合してゲル状となり配管などを詰まらせる恐れがあります。使用後は水などで十分に洗浄してください。
本品を取り扱うにあたっては、本品および副資材(化学品)の「安全データシート」(SDS)を事前に必ずお読みください。なお、SDSはこちらからも入手できます。 https://www.sanyo-chemical.co.jp/products/sds/
アミノアルキルメタクリレート誘導体モノマー
メタクリレート AN-134
メタクリレート DMA [2-(ジメチルアミノ)エチル=メタクリレート]
メタクリレート DMC-80 [メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド]
メタクリレート DMB-60 [メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド]
製品検索TOP
注意事項
ここに記載された情報は、弊社の最善の知見に基づくものですが、いかなる明示または黙示の保証をするものではありません。
①すべての化学品には未知の有害性がありうるため、取り扱いには細心の注意が必要です。本品の適性に関する決定は使用者の責任において行ってください。
②この情報は、細心の注意を払って行った試験に基づくものですが、実際の現場結果を保証するものではありません。個々の使用に対する適切な使用条件や商品の適用は、使用者の責任においてご判断ください。
③この情報は、いかなる特許の推薦やその使用を保証するものではありません。