ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物
『ニューポール BPE、BP』

三洋化成のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物
『ニューポール BPE、BP』シリーズはここがすごい

1

幅広い用途に使用可能なビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物

『ニューポール BPE、BP』シリーズは、ビスフェノールAにエチレンオキシド(EO)またはプロピレンオキシド(PO)を付加した下記の化学構造式で表される一連の化合物であり、ビスフェノール由来の強靭性、剛性、ポリエーテル由来の耐薬品性、可とう性など、力学的、電気的、化学的にバランスのよい性質を示します。

そのため、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂などのエンプラ樹脂の添加剤や原料、(メタ)アクリレート誘導体やグリシジルエーテル誘導体などの有機中間体の原料および水溶性熱媒体や蓄熱剤などとして幅広い用途に使用されています。

2

合成および精製技術の集結により高い純度を実現

三洋化成の合成および精製技術の集結により高い純度を実現しています。金属等の不純物が少ないため樹脂添加剤や原料等にご使用の際に、着色や反応阻害が低減可能です。

ニューポール BPEシリーズ


ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物

ニューポール BPシリーズ


ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物

三洋化成のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物
『ニューポール BPE、BP』シリーズの用途例

文献などからの用途例

ニューポール BPE、BP』シリーズの用途は、下表に示しますように、広い分野にわたっています。

用途例 効果 参考文献
樹脂原料
樹脂改質剤
不飽和ポリエステル 耐食性FRP
ガラス繊維バインダー 
ハイブリッド水性塗料 硬度、耐衝撃性改良 1
鋼板塗料 2、3
ラミネート接着剤  4
UV硬化塗料樹脂 5
ポリウレタン 粉体塗料 密着性、硬度、耐衝撃性向上 6~9
ポリイソシアヌレートフォーム 脆性改良 10
ウレタン変性アクリレート接着剤 密着性、可とう性向上 11、12
光硬化性樹脂 硬度、耐水性向上 13
鋳物砂バインダー 14
ポリエステル エンジニアリング樹脂 耐熱、耐薬品性向上 15
フィルム 耐水性向上 16
耐熱性樹脂 17
含リンポリマー  難燃化 18
トナーバインダー用 19~21
樹脂添加剤 塩化ビニル/ABS用滑剤 メルトフローレートの向上
メラミン樹脂用添加剤 潤滑性向上 22
PPO樹脂用滑剤
ポリエステル樹脂用顔料分散剤 
有機中間体原料 (メタ)アクリレート誘導体 嫌気性接着剤 23~27
光硬化性樹脂 28
印刷インキ用ビヒクル 耐水、耐収縮、光沢向上
歯科材料用接着剤 29~31
グリシジルエーテル誘導体
脂肪酸エステル誘導体 繊維油剤 耐熱性向上
メラミン樹脂添加剤 潤滑性向上 22
その他 染料溶解助剤 32
畜熱剤 33
水溶性熱媒体 34
感熱記録用材料 画像の鮮明度向上 35、36

参考文献

1)USP.4018416
2)特開昭56-167767
3)特開昭64-33168
4)特開昭52-69940
5)US Appl.Pat.852625
6)特開昭52-126426
7)特開昭52-126427
8)特開昭52-126429
9)Brit.P.1541610
10)特開昭54-98

11)特開昭52-155694
12)特開昭54-69200
13)Ger.Off.Pat.2800754
14)特開昭52-120224
15)特開昭53-99296
16)Ger.Off.Pat.2706914
17)USP.4163099
18)特開昭53-44189
19)特開昭46-12680
20)特開昭52-25420

21)特開平1-105957
22)Ger.Off.Pat.2540617
23)特公昭45-15640
24)特開昭50-91691
25)USP.3923737
26)Brit.P.3923737
27)Ger.Off.Pat.2545555
28)特開昭49-3930
29)特開昭49-33946
30)USP.3926892

31)特開昭51-44152
32)特開昭55-22013
33)特開昭54-43886
34)特開昭58-2378
35)特開昭55-3913
36)特開昭55-9827

 不飽和ポリエステル樹脂系バインダー原料としての使用例

原料の配合比
質量比 モル比
ニューポール BPE-20NK 482 1.83
フマル酸 186 2.00
ハイドロキノン 0.34 -
グリセリン 14.7 0.20
合成方法

反応缶に上記①②③を投入し溶融後、常圧脱水縮合反応に続けて減圧脱水縮合反応させ、反応系の酸価が 20 以下となった時点で④を投入。反応系の軟化点 110℃以上で反応終点とする。

バインダーの性状

外観:淡黄色透明固状
軟化点:112℃
Tg:48℃
重量平均分子量(GPC):45,000

ポリエステル樹脂系塗料原料としての使用例

原料の配合比
質量比 モル比
 ニューポール BPE-20 189.8 0.56
 エチレングリコール 107.2 1.65
ジメチルテレフタレート 203 1.00
酢酸亜鉛 0.09 -
 三酸化アンチモン 0.09 -
合成方法

反応缶に上記①②③④⑤を投入し溶融後、常圧脱水縮合反応に続けて減圧脱水縮合反応させる。反応系のTg70℃以上で反応終点とする。

合成ポリエステル樹脂系塗料用樹脂の性状

外観:淡黄色固状
Tg:73℃
重量平均分子量(GPC):102,000

塗料化

得られた樹脂に有機溶剤、酸化チタンなどの顔料、メラミン樹脂を配合し塗料化。

三洋化成のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物
『ニューポール BPE、BP』シリーズの物性値

記載は代表値です。
*1: 溶融して 110℃で測定
*2: 試料10gを水/イソプロパノール=60/100 (vol比、pH7) 60mLに溶解して測定
*3: 1質量%水溶液にして測定
*4: カールフィッシャー法で測定
*5: ガスクロマトグラフ法で測定
*6: 20℃では固状
品名 外観
20±5℃
色数
(ハーゼン)
水酸
基価
酸価 粘度
mPa・s
(60℃)
pH 水分*4
%

EO、PO付加モル分布 *5 %

1mol 2mol 3mol 4mol 5mol
BPE-20 白色
塊状
30
*1
344 0.10 - 7.5
*2
0.2 ND 82.4 15.8 1.8 ND
BPE-20(F) 白色
塊状
30
*1
343 0.10 - 6.5
*2
0.2 ND 82.4 15.8 1.8 ND
BPE-20NK 白色
塊状
20 
*1
345 0.02 - 6.3
*3
0.2 ND 82.6 15.7 1.7 ND
BPE-40 無色
液状
20 276 0.05 9000
(25℃)
5.9
*3
0.04 - - - - -
BPE-60 無色
液状
10 228 0.05 174 6.1
*3
0.04 - - - - -
BPE-100 透明
液状
10 167 0.06 27.5
(99℃)
5.9
*3
0.04 - - - - -
BPE-180 無色
液状
10 110 0.02 130 6.1
*3
0.04 - - - - -
BP-2P 無色
液状*6
40 322 0.60 1,600 6.5
*2
0.05 ND 95.3 3.9 0.8 ND
BP-23P 無色
液状*6
20 310 0.03 1,340 6.8
*2
0.03 ND 82.5 15.2 2.3 ND
BP-3P 無色
液状
20 280 0.02 2,150
(50℃)
6.9
*2
0.03 ND 38.1 40.8 17.0 4.1
BP-5P 無色
液状
10 211 0.02 5,500 7.0
*2
0.03 - - - - -

三洋化成のポリエーテル合成技術の概要

AOA(Alkylene Oxide Adducts)とは

AOA(Alkylene Oxide Adducts)とは活性水素化合物(アルコール、カルボン酸等、活性水素を有するもの)にアルキレンオキシド(EO、PO、BO、THF等)を付加重合したポリマーを指します。

活性水素化合物(出発物質)

官能
基数
活性水素
化合物種類
構造式
1 アルコール
(長鎖、短鎖)
ROH
アリルアルコール CH2=CHCH2OH
メタクリル酸 CH2=CH(CH3)COOH
2 グリコール HOーCH2CH2ーOH
ビスフェノール

アルキレンオキシド(付加モノマー)

アルキレンオキシド
(AO)種類
AO 構造式
モノマー 開環後
エチレンオキシド
(EO)
プロピレンオキシド
(PO)
ブチレンオキシド
(BO)
テトラヒドロフラン
(THF)
  • 各々の組合せにより、様々な特性を有するポリエーテルが設計可能。
  • 高圧反応を伴う合成プロセスであり、工業化しているメーカーは限られる。

末端基の変性

さらに、AOAの末端基(水酸基等)を各種有機反応により変性することで新たな樹脂物性を付与することができるため、様々な樹脂用途に使用されています。

反応 変性基 末端構造式 付与される特徴、代表用途
エーテル化 アルキルエーテル CH3 OH基(ヒドロキシ基)の不活性化、溶剤、可塑剤
アリルエーテル CH2=CHCH2 反応性
変性シリコーン樹脂原料
グリシジルエーテル 反応性
エポキシ樹脂改質剤
エステル化 アセチル CH3COー OH基(ヒドロキシ基)の不活性化
可塑剤
アクリル (メタクリル) CH2=CRCOー
R:H, CH3
反応性
UV硬化樹脂
ウレタン化 イソシアネート 反応性
ウレタンシ-ラント樹脂

本パンフレットに記載の商品を取り扱うにあたっては、商品個々および副資材(化学品)の「安全データシート」(SDS)を事前に必ずお読みください。なお、SDSはこちらからも入手できます。 https://www.sanyo-chemical.co.jp/products/sds/

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