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三洋化成は 1960年に、国産第1号のポリウレタンフォーム用ポリエーテルポリオールを開発し、『サンニックス』の商標で上市しました。以来、超軟質、軟質、半硬質、硬質フォーム用など、各種用途に応じたポリウレタンフォーム用ポリエーテルポリオールを各種開発し、好評を博してきました。
世界に誇る技術と日本トップクラスの生産能力をもつ三洋化成で生み出される『サンニックス』は、日本国内のほとんどのポリウレタンフォームメーカーで使用されるほか、海外でも多く使用されています。
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三洋化成では、各種用途と様々な成形方法に適した、ポリウレタンフォーム用のポリエーテルポリオールやポリマーポリオールを取りそろえています。
ポリウレタンフォームの中でも大きな生産量を占める軟質ポリウレタンフォームは、自動車、家具、生活用品などのクッション材として広く使用されています。
自動車
シートクッション、ヘッドレスト、カーペットパッキング、ダッシュサイレンサー
生活用品
スポンジ、化粧用パフ、エアコン・掃除機・布団乾燥機などのフィルター
寝具・家具
カーペットパッキング、ベッド、マットレス、こたつ敷、座布団、枕
衣料・寝装具
ブラジャー、肩パッド、防寒衣料詰め物
医療
包帯、バンテージ、医療用ベッド、医療用マスク、義足、止血用材
ポリウレタンフォームは、ポリエーテルポリオール等のポリオール成分と、ポリイソシアネート成分を反応させて得られるポリマー(ポリウレタン)を、反応と同時に発生させたガス(二酸化炭素)を利用し、発泡させた多孔質の樹脂です。
以下にポリウレタンフォーム発泡の化学反応式を記載いたします。
軟質ポリウレタンフォームは、製造方法によりスラブフォームとモールドフォームに大別されます。以下に各ポリウレタンフォームの製造方法の概略図を示します。
三洋化成では、スラブフォーム、モールドフォームのいずれの工法にも対応可能なように『サンニックス』の各種ラインナップを取り揃えています。
スラブフォームは、搬送コンベア上に発泡原液を注液し、発泡、硬化後に、一定の大きさで裁断することで製造されます。
モールド成形法は、室温または、40~70℃に加熱したモールドに発泡原液を注入しほぼその温度で硬化させる方法です。さまざまな形状を製作しやすいという特長から自動車シート、アームレスト、ヘッドレスト、クラッシュパッド、ハンドル、オートバイサドルなどのポリウレタンフォームの生産に適しています。
ハーゼン 単位色素 | 水酸基価 *1 | pH *2 | 水分 *3 | 粘度*4 mPa・s (25℃) | |
---|---|---|---|---|---|
サンニックス FA-195 | 30 | 50.0 | 6.5 | 0.05 | 730 |
サンニックス FA-311E | 50 | 42.0 | 6.5 | 0.05 | 970 |
サンニックス FA-702 | 20 | 38.3 | 6.5 | 0.03 | 900 |
サンニックス FA-703V | 20 | 33.0 | 6.5 | 0.05 | 905 |
サンニックス FA-718 | 20 | 28.5 | 6.0 | 0.05 | 800 |
サンニックス FA-974 | 20 | 28.0 | 6.5 | 0.05 | 1200 |
サンニックス FA-7030 | 150 | 27.8 | 9.5 | 0.05 | 1300 |
サンニックス GL-3000 | 20 | 53.5 | 6.5 | 0.03 | 510 |
サンニックス GP-3000R | 30 | 56.0 | 6.5 | 0.03 | 510 |
サンニックス GS-3000R | 20 | 56.0 | 6.5 | 0.03 | 485 |
サンニックス KC-720 | 20 | 33.5 | 6.5 | 0.03 | 880 |
サンニックス KC-745 | 20 | 33.5 | 6.5 | 0.05 | 900 |
サンニックス KC-900 | ー | 22.0 | 7.5 | 0.05 | 4600 |
サンニックス PA-2000 | 20 | 56.0 | 6.5 | 0.03 | 310 |
■サンニックス GP-3000R
特にジオール含有量が少ないポリオキシプロピレングリセリルエーテルです。標準的な物性の軟質ポリウレタンフォームが得られ、寝具や家具のクッションフォーム用原料などとして使用されています。
■サンニックス FA-311E
硬めのフォームが得られるポリオールで、サンニックス GP-3000Rから得られる同等の硬さのポリウレタンフォームと比較した場合、低密度で耐スコーチ性に優れたポリウレタンフォームが得られます。
■サンニックス PA-2000
柔らかく伸びのあるフォームが得られるポリオールで、サンニックス GP-3000Rと併用して衣料用のポリウレタンフォーム用原料などとして使用されています。
■サンニックス FA-195
伸び、引裂強さ、圧縮永久歪に優れた超軟質フォームが得られるポリオールで、クッションのトッパーパッド、枕、背あて、玩具、包装材、農園芸などの超軟質ポリウレタンフォーム用原料として使用されています
処方 1 | 処方 2 | 処方 3 | 処方 4 | 処方 5 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
配合処方 (質量比) | サンニックス GP-3000R | 100 | 100 | 20 | 80 | 25 |
サンニックス FA-311E | ー | ー | 80 | ー | ー | |
サンニックス PA-2000 | ー | ー | ー | 20 | ー | |
シャープフロー FS-7301 *1 | ー | ー | ー | ー | 75 | |
水 | 4.0 | 4.5 | 4.5 | 4.0 | 2.8 | |
トリエチレンジアミン | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.2 | 0.6 | |
L-540 *2 | 1.5 | 1.5 | 1.5 | 2.0 | 0.5 | |
スクナスオクトエート | 0.34 | 0.28 | 0.12 | 0.40 | 0.16 | |
塩化メチレン | ー | ー | ー | ー | ー | |
TDI-80 | 54.8 | 54.8 | 53.0 | 49.7 | 33.4 | |
NCO INDEX | 105 | 105 | 105 | 105 | 105 | |
ポリウレタン フォーム物性 | コア密度 ㎏/m3 | 24.0 | 22.2 | 25.5 | 24.5 | 35.5 |
硬さ(25%ILD) N | 123 | 127 | 137 | 88 | 320 | |
硬さ(65%ILD) N | 196 | 199 | 213 | 170 | 515 | |
引張強さ MPa | 0.11 | 0.11 | 0.09 | 0.11 | 0.17 | |
伸び % | 205 | 192 | 113 | 300 | 105 | |
引裂強さ kN/m | 0.83 | 0.82 | 0.50 | 0.93 | 0.95 | |
圧縮残留ひずみ率 % | 1.9 | 2.1 | 3.8 | 3.6 | 3.3 |
〔試験方法〕
ポリウレタンフォームの発泡条件
上表記載の処方1~5に従い、原料温度:25℃、低圧発泡機、300×300×200Hmmの上方開放型の条件成形したポリウレタンフォームを試料とした。
ポリウレタンフォーム物性の測定方法
JIS K 6400 および JIS K 6401 に従った。
■サンニックス FA-703V
■サンニックス FA-974
■サンニックス KC-720
■サンニックス KC-745
■サンニックス KC-900
これらのポリオールは、ポリメリックMDIとTDI-80のブレンドイソシアネートとの組み合わせで、いわゆるコールドモールド成形で高弾性ポリウレタンフォームを得るのに適したポリオールです。
サンニックス KC-900は、ポリマーポリオールであり、得られるポリウレタンフォームの硬度を高める目的でサンニックス FA-703Vやサンニックス FA-974などと併用されます。
処方1 | 処方2 | 処方3 | 処方4 | ||
---|---|---|---|---|---|
配合処方 (質量比) | サンニックス FA-703V | 60 | ー | ー | ー |
サンニックス FA-974 | ー | 60 | ー | ー | |
サンニックス KC-720 | ー | ー | 60 | ー | |
サンニックス KC-745 | ー | ー | ー | 60 | |
サンニックス KC-900 | 40 | 40 | 40 | 40 | |
サンニックス FA-159 *1 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | |
サンニックス SP-750 *2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |
水 | 3.2 | 3.2 | 3.2 | 3.2 | |
トリエタノールアミン | 1 | 1 | 1 | 1 | |
DABCO 33LV *3 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | 0.4 | |
DABCO BL-11 *3 | 0.08 | 0.08 | 0.08 | 0.08 | |
SZ-1327 *4 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | |
SZ-1346 *4 | 0.75 | 0.75 | 0.75 | 0.75 | |
TDI-80/ポリメリックMDI =80/20 | 45.5 | 41.5 | 45.6 | 45.2 | |
NCO INDEX | 100 | 100 | 100 | 100 | |
ポリウレタン フォーム物性 | 全密度 ㎏/m3 | 50.5 | 50.1 | 50.0 | 49.9 |
コア密度 ㎏/m3 | 45.2 | 45.0 | 44.9 | 44.8 | |
硬さ(25%ILD) N | 232 | 220 | 235 | 240 | |
引張強さ MPa | 0.17 | 0.16 | 0.17 | 0.17 | |
伸び % | 105 | 110 | 108 | 106 | |
引裂強さ kN/m | 0.56 | 0.58 | 0.58 | 0.58 | |
圧縮残留ひずみ率 % | 4.5 | 4.6 | 4.2 | 4.6 | |
湿熱圧縮残留ひずみ率 % | 14.0 | 13.5 | 13.0 | 13.5 | |
反発弾性率 % | 68 | 69 | 70 | 68 |
〔試験方法〕
ポリウレタンフォームの発泡条件
上表記載の処方1~4に従い、原料温度 25℃、高圧発泡機、金型:400×400×100Hmm(63℃)の条件で成形したフォームを試料とした。
ポリウレタンフォーム物性の測定方法
JIS K 6400 および JIS K 6401 に従った。
■サンニックス FA-702
■サンニックス FA-703V
■サンニックス KC-900
上記ポリオールとTDI-80とポリメリックMDIのブレンドイソシアネートとの組み合わせで、高密度、 高硬度のオートバイサドルに適したポリウレタンフォームが得られます。
処方1 | 処方2 | ||
---|---|---|---|
配合処方 (質量比) | サンニックス FA-702 | 50 | ー |
サンニックス FA-703V | ー | 50 | |
サンニックス KC-900 | 50 | 50 | |
サンニックス CA-243 *1 | 2.0 | 2.0 | |
水 | 2.2 | 2.2 | |
ジエタノールアミン | 1.0 | 1.0 | |
DABCO 33LV *2 | 0.3 | 0.3 | |
DABCO BL-11 *2 | 0.15 | 0.15 | |
N-メチルモルホリン | 0.2 | 0.2 | |
SF-2962 *3 | 0.5 | 0.5 | |
TDI-80/ポリメリック MDI = 50/50 | 42.6 | 42.1 | |
NCO INDEX | 100 | 100 | |
ポリウレタン フォーム物性 | 全密度 ㎏/m3 | 53.9 | 54.0 |
コア密度 ㎏/m3 | 51.0 | 50.4 | |
硬さ(25%ILD) N | 255 | 235 | |
引張強さ MPa | 0.10 | 0.11 | |
伸び % | 95 | 100 | |
引裂強さ kN/m | 0.54 | 0.62 | |
圧縮残留ひずみ率 % | 3.6 | 4.2 | |
湿熱圧縮残留ひずみ % | 13.4 | 14.5 | |
反発弾性率 % | 67 | 65 |
〔試験方法〕
ポリウレタンフォームの発泡条件
上表記載の処方1、2に従い、原料温度 25℃、高圧発泡機、金型:400×400×100Hmm(55℃)の条件で成形したポリウレタンフォームを試料とした。
ポリウレタンフォーム物性の測定方法
JIS K 6400 および JIS K 6401 に従った。
■サンニックス FA-703V
上記のポリオールを使用すると、やや硬いポリウレタンフォームが得られます。
■サンニックス FA-718
上記のポリオールは、粘度が低いためモールド中での液流れ性がよく、かつ、モールド成形に適した反応性を有しているため成形性に優れています。
■サンニックス FA-7030
第一級水酸基を有し反応性の高い、含窒素系のポリオールです。サンニックス FA-703と比較して、やや柔らかい、シリコーン整泡剤を用いても独立気泡が少ない(発泡後の収縮が小さい)ポリウレタンフォームが得られます。
処方1 | 処方2 | 処方3 | ||
---|---|---|---|---|
配合処方 (質量比) | サンニックス FA-703V | 95 | ー | ー |
サンニックス FA-718 | ー | 95 | ー | |
サンニックス FA-7030 | ー | ー | 95 | |
トリエタノールアミン | 5 | 5 | 5 | |
水 | 2.5 | 2.5 | 2.5 | |
トリエチルアミン | 1.0 | 1.0 | 1.0 | |
SRX-253 *1 | ー | ー | 0.2 | |
ポリメリック MDI | 61.5 | 60.4 | 60.1 | |
NCO INDEX | 105 | 105 | 105 | |
ポリウレタン フォーム物性 | 全密度 ㎏/m3 | 150 | 147 | 153 |
引張強さ MPa | 0.30 | 0.30 | 0.27 | |
伸び % | 30 | 35 | 35 | |
引裂強さ kN/m | 1.3 | 1.2 | 1.0 | |
全面圧縮強度(25%歪み) MPa | 0.11 | 0.11 | 0.08 |
〔試験方法〕
ポリウレタンフォームの発泡条件
上表記載の処方1~3に従い、原料温度 25℃、ハンドミキシング法、金型:200×100×30Hmm(40℃)の条件で成形したポリウレタンフォームを試料とした。
ポリウレタンフォーム物性の測定方法
JIS K 6400 および JIS K 6401 に従った。
本品を取り扱うにあたっては、本品および副資材(化学品)の「安全データシート」(SDS)を事前に必ずお読みください。なお、SDSはこちらからも入手できます。 https://www.sanyo-chemical.co.jp/products/sds/
サンニックス FA-718、 サンニックス FA-703、 サンニックス KC-745
サンニックス KC-737、 サンニックス FA-757、 サンニックス KC-760
サンニックス FA-195、 サンニックス FA-311E、 サンニックス FA-7030
サンニックス PL-2100、サンニックス GS-3000R
ポリマーポリオール
サンニックス KC-900、 サンニックス FA-728R
硬質ポリウレタンフォーム用ポリオール
グリセリン系ポリオール
サンニックス GP-250、 サンニックス GP-400、 サンニックス GP-600
トリメチロールプロパン系ポリオール
サンニックス TP-400
ソルビトール系ポリオール
サンニックス SP-750
芳香族アミン系ポリオール
サンニックス HM-551、 サンニックス HM-555
脂肪族アミン系ポリオール
サンニックス AP-470、 サンニックス NE-240、 サンニックス NL-270、 サンニックス NL-300、 サンニックス NP-300
注意事項
ここに記載された情報は、弊社の最善の知見に基づくものですが、いかなる明示または黙示の保証をするものではありません。
①すべての化学品には未知の有害性がありうるため、取り扱いには細心の注意が必要です。本品の適性に関する決定は使用者の責任において行ってください。
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