水溶性金属加工油基剤『ユーティリオール』

潤滑性と低泡性を両立した
水溶性切削油基剤

三洋化成の水溶性切削油基剤
『ユーティリオール』はここがすごい

1

耐焼付き性に優れた水溶性ポリエーテル

水溶性の金属加工油は、不燃性で火災のリスクが低く、冷却性に優れ、作業環境の改善や環境負荷低減に貢献します。
ユーティリオール GA-15Pは、水溶性の金属加工油の基剤に適した、耐焼付き性に優れた水溶性ポリエーテルです。

2

潤滑性と低泡性の両立

ユーティリオール GA-15Pは、弊社汎用ポリエーテル基剤と比較して、水溶性金属加工油の特長を維持したまま、潤滑性を大幅に向上した製品です。水溶性加工油の課題であった潤滑性と低泡性を両立できたことにより、環境負荷低減、作業環境の改善、冷却効率の向上などのメリットを得ることができます。 

3

延性が高いアルミなどの難削材の加工も可能

ユーティリオール GA-15Pは、潤滑性に優れることから、延性が高いアルミなどの難削材の加工にも適用可能です。

4

水で希釈した加工液の透明性が高い

ユーティリオール GA-15Pは、水で希釈した加工液の透明性が高く、視認性を損ないません。

5

高いハンドリング性

ユーティリオール GA-15Pは、低粘度で曇点が高く、消防法の危険物に非該当のため、保管・取扱いがしやすい水溶性のポリエーテル基剤です。

なぜ水溶性加工油において、低泡性が重要なのか?

従来の水溶性加工油は潤滑性が不十分な場合も多く、一方で、潤滑性を向上させると泡立ちが課題でした。加工時の泡立ちは、オーバーフローの懸念、冷却不足、加工点が見えづらくなることによる作業性の低下、加工不良、加工油の使用量増などにつながってしまいます。

⇒潤滑性と低泡性を両立するユーティリオール GA-15Pを使用することで、これまでは上記の問題のために水溶性加工油が使えなかった用途などにも使用できるようになります。

想定用途

工作油剤は、切削、圧延、引き抜き、プレス、鍛造など多種多様な金属加工に用いる油剤で、潤滑と冷却を基本機能とするものです。

油剤が工具と被加工物や切屑の隙間に入ることで摩擦を低減し、油剤の冷却効果により摩擦による発熱を抑制することで工具の摩耗・変形を抑え、焼き付きを防止し工具寿命を延ばすだけでなく、加工精度を向上させます。 

1

切削

2

圧延

3

引き抜き

4

プレス

※各用途における適性および安全性は、使用者の責任においてご判断ください。

『ユーティリオール』の性状

ユーティリオール GA-15Pは、低粘度で曇点が高く、消防法の危険物に非該当のため、保管取扱いがしやすい水溶性のポリエーテル基剤です。

ポリエーテル基剤
(当社品)

ユーティリオール
GA-15P
ニューポール
GEP-2800
ニューポール
PE-61
ブレンバー
LUB-90
外観 液状 液状 液状 液状
曇点
(1wt%aq.)
[℃]
52 74 24 7
動粘度
(40℃)
[㎜2/s]
263 198 144 461

引火点
[℃]

255 240 210 230
消防法 指定可燃物
(可燃性液体類)
危険物
(第4石第4石油類)
危険物
(第4石第4石油類)
危険物
(第4石第4石油類)

『ユーティリオール』の水溶性切削油基剤としての性能

水溶性切削油基剤として配合した際の性能(当社従来品と比較)を下表に示します。

使用したポリエーテル基剤
(当社品)
ユーティリオール
GA-15P
ニューポール
GEP-2800
ニューポール
PE-61
ブレンバー
LUB-90
外観(20℃) 透明液状 透明液状 透明液状 透明液状
曇点*1
[℃]
52 >75 26 18
潤滑性*2 耐焼付き荷重
[N]
390 156 283 285
摩擦係数
(at 100N)
0.140 0.157 0.132 0.135
低泡性*1 泡高さ(直後)
[cm]
5.2 8.2 4.5 5.3
泡高さ(1分後)
[cm]
2.9 7.2 3.0 3.3

*1 曇点、低泡性評価時の切削油組成: ポリエーテル 0.5wt%、 中鎖脂肪酸のアミン塩2.40wt%、 水 97.10wt%
*2 潤滑性評価時の切削油組成: ポリエーテル 0.75wt%、 中鎖脂肪酸のアミン塩2.40wt%、 水 96.85wt%

<評価方法>​
外観:目視、 曇点:目視​
耐焼付き荷重:SRV法​
泡高さ:バイオミキサー法

ユーティリオールの潤滑性について

潤滑性評価1 耐焼付き荷重

図 耐焼付き荷重(SRV法)の比較

①高い耐焼付き荷重
ユーティリオール GA-15Pは、当社従来型ポリエーテル基剤と比較して、高い耐焼付き荷重を示します。

②濃度アップによる耐焼付き荷重の向上
ユーティリオール GA-15Pは、濃度を高めることにより、耐焼付き荷重を向上させることが可能です。

<試験条件(SRV法)>​
振動摩擦摩耗試験(SRV試験機)を用いて、潤滑性(耐焼付き荷重)を評価した。

試料
(棒グラフ左) : 各ポリエーテル基剤(0.50wt%)、中鎖脂肪酸アミン塩(2.40wt%)、水(97.10wt%)の混合液​
(棒グラフ右) : 各ポリエーテル基剤(0.75wt%)、中鎖脂肪酸アミン塩(2.40wt%)、水(96.85wt%)の混合液​

試験片 : 鋼球(SUJ-2、Φ 10 mm)、鋼ディスク(SUJ-2)​
試験条件 : 荷重 50 → 500 N、振動数50Hz、振動幅 1.0 mm、温度 30℃、浸漬用治具使用

潤滑性評価2 摩擦係数

図 摩擦係数@100N(SRV法)の比較


低摩擦係数
ユーティリオール GA-15Pは、
当社従来型ポリエーテル基剤と同等の低い摩擦係数を示します。

<試験条件(SRV法)>​
振動摩擦摩耗試験(SRV試験機)を用いて、潤滑性(摩擦係数)を評価した。​
試料(棒グラフ左) : 各ポリエーテル基剤(0.50wt%)、中鎖脂肪酸アミン塩(2.40wt%)、水(97.10wt%)の混合液​
(棒グラフ右) : 各ポリエーテル基剤(0.75wt%)、中鎖脂肪酸アミン塩(2.40wt%)、水(96.85wt%)の混合液​

試験片 : 鋼球(SUJ-2、 Φ 10 mm)、鋼ディスク(SUJ-2)​
試験条件 : 荷重 100 N(50 → 500 N)振動数 50 Hz、振動幅 1.0 mm、温度 30℃、浸漬用治具使用​

ユーティリオールの低泡性について

図 低泡性評価結果(バイオミキサー法)

低泡性
ユーティリオール GA-15Pは低泡性のポリエーテル基剤です。

破泡速度
ユーティリオール GA-15Pは、経過時間0~60秒における、破泡速度が、
当社従来型ポリエーテル基剤と比較して優れます。

<評価方法(バイオミキサー法)>
300mLトールビーカーに150mLの試料を秤量し、バイオミキサーを用いて低泡性(撹拌後泡高さの経時変化)を評価した。
試料: 各ポリエーテル基剤(0.50wt%)、中鎖脂肪酸アミン塩(2.40wt%)、水(97.10wt%)の混合液
試験条件: 回転数11500 rpm、撹拌時間40秒、温度23℃
計測時間: 撹拌直後、静置経時後30秒、1分、2分、3分、5分、10分

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②この情報は、細心の注意を払って行った試験に基づくものですが、実際の現場結果を保証するものではありません。個々の使用に対する適切な使用条件や商品の適用は、使用者の責任においてご判断ください。
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