きめ(=肌理)は、表面の平滑性や、すべすべとした触感を指す言葉です。
ケミカルウッドは、切削性、密度を調整するために内部に気泡を含ませた樹脂フォーム切削材料ですので、密度や、内包している気泡の大きさによって、きめの細かさが異なります。
高機能ケミカルウッド(硬質ポリウレタンフォーム)『サンモジュール』の特長の1つとして、きめがとても細かいことが挙げられます。硬質ポリウレタンフォームのきめが細かいことにより、以下の利点があります。
ケミカルウッドのきめが細かいと、切削後のモデルのライン、陰影がくっきりと認識することができ、設計者が意図した通りの良好な仕上がりを実現可能です。
ケミカルウッドのきめが細かいと、表面の後加工(ペーパーがけ、サンディングシーラー処理)の手間を軽減することができます。また、塗装面はツヤツヤとした光沢のある仕上がりを実現することが可能です。
写真左側は切削したサンモジュールにメッキ処理をほどこしたサンプルです。サンモジュールのきめの細かさゆえに、光沢のある仕上がりとなっています。
ケミカルウッドを切削して型として用いる際、表面や切削面のきめが細かいと、成形物を脱型する際に余分な引っかかりが発生しづらく脱型しやすい利点があります。 また真空成形した際においては、成形品の平滑性が高く仕上がることから、透明性をしづらい仕上がりをお求めの際にも『サンモジュール』の使用を推奨しています。
サンモジュール型を用いた真空成型(PET)外観①
サンモジュール型を用いた真空成型(PET)外観②
ケミカルウッド表面のきめの細かさの尺度としては、一般的に平均表面粗度(Ra、単位はマイクロメーター[μm])が用いられます。『サンモジュール』は同じ密度の汎用品と比較して、平均表面粗度 Raが小さい(=きめが細かい)という特長を有します。
ケミカルウッドの平均表面粗度Ra比較の例
サンモジュールMH-E(密度0.35 Ra 11μm)。同じ密度の汎用品(一例)のRaは25μm。
サンモジュールTW-E(密度0.75 Ra 4μm)。同じ密度の汎用品(一例)のRa12μm。
『サンモジュールMH-E 』と同じ密度の汎用品とのケミカルウッド表面の電子顕微鏡(SEM)での比較を以下に示します。
サンモジュール MH-E表面のSEM写真
同一密度汎用品ケミカルウッド表面のSEM写真
当社の『サンモジュール』はメカニカルフロス法という発泡方法を採用している高機能ケミカルウッドです。これは、液状のポリオール成分とイソシアネート成分の混合時に、窒素などの不活性ガスを吹き込み激しく撹拌することで強制的に混合液中に微細で均一なセルを作る方法です。
混合液はウレタン化反応により硬化し、数μm~数十μmといった微細気泡を持つウレタン樹脂となります。密度は注入するガスの量で細かく制御することが可能であり、この技術が『サンモジュール』のきめの細かさを実現しています。
高機能ケミカルウッド(硬質ポリウレタンフォーム)『サンモジュール』の特長の1つとして、きめがとても細かいことが挙げられます。硬質ポリウレタンフォームのきめが細かいことにより、①切削モデルの良好な仕上がり ②切削モデルの後加工性の向上 ③成形型としての使用性、仕上がり性の向上等の利点があります。
三洋化成の『サンモジュール』は独自のメカニカルフロス法により、サンモジュールのきめの細かさを実現しています。
高機能ケミカルウッド『サンモジュール』について、より詳細についてお知りになりたい場合は、お気軽にお問い合わせ下さい。
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