不織布用耐久親水化剤『ハイドロスルー PS-887』

不織布用耐久親水化剤
『ハイドロスルー PS-887』はここがすごい

1

不織布への高い繰り返し透水性付与を実現

・耐久親水化剤『ハイドロスルー PS-887』は、PP、PE、PETなどの不織布に塗布・含侵等することによって、親水性・透水性を付与する薬剤です。
・当社独自設計により、汎用の耐久親水化剤と比較して、より高い繰り返し透水性を示します。

2

ノンシリコーンかつ植物由来原料を使用

・動物油不使用かつシリコーン成分を含まない、耐久親水化剤です。

ハイドロスルーの性状
評価項目 ハイドロスルー PS-887
外観 黄色液状
有効成分 % 約80%
pH (1%エマルション) 約6.5
粘度  約200 mPa・s

・高濃度なオイル状での供給が可能です。
・低粘度であることから、取り扱いが用意です。

不織布用耐久親水化剤
『ハイドロスルー PS-887』の用途例

『ハイドロスルー PS-887』は、PP、PE、PET不織布などの疎水性繊維の親水化処理に使用され、想定用途としては以下が挙げられます。
また、親水性向上に付随する機能として、帯電防止性、吸水性付与などが期待できます。

オムツ用不織布の親水化処理

農業用シートの親水化処理

土木用ネットの親水化処理

不織布用耐久親水化剤
『ハイドロスルー PS-887』の性能

『ハイドロスルー PS-887』エマルション作製方法

(例)有効成分80%である『ハイドロスルー PS-887』の5%エマルションを1000kg作製する場合

エマルション作製方法

①所定量のイオン交換水を20~40℃に温調する。
②攪拌下で20~40℃に温調したハイドロスルー PS-887を6~7kg/minの速度で投入し、30分間(目安)乳化する。

→ ハイドロースルー PS-887の有効成分5.0%エマルション仕上り

不織布処理方法(弊社評価用)

OPU(油剤付着率)が所定量となるように不織布にエマルションを塗布し、50℃で3時間乾燥させる。

仕込み量[kg]
イオン交換水 937.5
ハイドロスルー PS-887 62.5

耐久親水剤(繰り返し透水性):Lister試験

『ハイドロスルー PS-887』で処理した不織布は、汎用品と比較して高い繰り返し透水性を示します。

吸収時間 [秒]
ハイドロスルー PS-887 汎用品
1回目 1.30 1.31
2回目 2.24 2.35
3回目 2.54 2.69
4回目 2.56 3.43
5回目 2.95 3,70

<評価方法>

※Repeated Liquid Strike-Through Time(EDANA WSP 70.7)に従う。

・5枚の吸水紙の上に不織布を置き、Lister試験機(下図)にて生理食塩水5mlの吸収時間を測定。

・2回目以降は1分間隔で上記と同方法を繰り返し実施する。

<評価条件>

OPU(油剤付着率)=約0.5%、PP/PE芯鞘エアスルー不織布=23gsmにて評価


図 Lister試験機の外観

耐久親水剤(繰り返し透水性):10点法

『ハイドロスルー PS-887』で処理した不織布は、以下評価方法においても、汎用品と比較して高い繰り返し透水性を示します。

吸収された液滴の個数[点/10点満点]
ハイドロスルー PS-887 汎用品
1回目 10 10
2回目 10 6
3回目 10 3
4回目 9 1

<評価方法>

10か所マーキングした不織布に生理食塩水を1滴落とし、5秒以内に吸収された液滴の個数を数える。

・おむつの上に不織布、SUS ringを置き、生理食塩水50mLを注ぐ。
・不織布の水気を完全に拭き取った後、繰り返し試験を行う。

<評価条件>
OPU(油剤付着率)=約0.5%、PP/PE芯鞘エアスルー不織布=23gsmにて評価


図 繰り返し透水性試験方法


なお、『ハイドロスルー PS-887』を用いて不織布を処理すると耐久親水性が向上するため、汎用品と比較して液戻り性(加圧逆戻水量)はやや大きくなります。

スポット吸収性:Run Off試験

『ハイドロスルー PS-887』で処理した不織布は、汎用品と比較して、同等程度のスポット吸収性を示します。

ハイドロスルー PS-887
[mm]
汎用品
[mm]

液流れ距離

13 14
OPU(油剤付着率)=約0.5%、PP/PE芯鞘エアスルー不織布=23gsmにて評価

<評価方法>

・不織布に対し10㎜の高さから整理食塩水をスポイトで1滴落とす。
・液滴が不織布に吸収されるまでに流れ落ちた距離を測定する。


図 Run Off試験方法


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