当社は、日本国内で初めて合成ワックスの工業化に成功し、低分子量ポリプロピレン『ビスコール』シリーズや低分子量ポリエチレン『サンワックス』シリーズを製造・販売しております。
ビスコール、サンワックスは熱分解型ポリオレフィンワックスならではの広い分子量分布を有し、以下のような特性を発揮いたします。
※各用途における適性および安全性は、使用者の責任においてご判断ください。
製造方法 | 熱分解型ポリオレフィンワックス(当社品) | 重合型(高圧) | 重合型(低圧) |
---|---|---|---|
分子量分布 Mw/Mn | 広い | 狭い | 狭い |
立体構造 | 長鎖分岐含有 | 短鎖分岐含有 (通常メチル基) | 長鎖分岐含有 |
ビスコール 330-P | ビスコール 440-P | ビスコール 550-P | ビスコール 660-P | ビスコール LM-500 (開発品) | ビスコール LM-600 (開発品) | |
---|---|---|---|---|---|---|
特徴 | 高分子量 | 中~高分子量 | 低分子量 | 低分子量 | 高分子量 低融点 | 低分子量 低融点 |
外観 | 白色粉末 | 白色粉末 | 白色粉末 | 白色粉末 | 淡黄色粉末 | 淡黄色粉末 |
色数 | 200 | 200 | 200 | 1 | 1 | 1 |
融点(℃) | 145 | 144 | 139 | 136 | 125 | 119 |
溶融粘度 (mPa・s) | 4000 | 1800 | 200 | 70 | 1400 | 100 |
分子量(Mw) | 40000 | 27000 | 13000 | 10000 | 30000 | 9000 |
主な用途 | 顔料分散剤、フィラー分散剤、流動性向上剤 |
色数:ハーゼン法(*ガードナー法)、 融点:DSC法、 溶融粘度:160℃(**140℃)、 分子量:高温GPC法
サンワックス 161-P | サンワックス 131-P | サンワックス 151-P | サンワックス 171-P | |
---|---|---|---|---|
特徴 | 高分子量 | 中~高分子量 | 低分子量 | 低分子量 |
外観 | 白色粉末 | 白色粉末 | 白色粉末 | 白色粉末 |
色数 | 30 | 30 | 30 | 30 |
融点(℃) | 103 | 102 | 101 | 100 |
溶融粘度 (mPa・s) | 4300 | 1000 | 290 | 180 |
分子量(Mw) | 27000 | 20000 | 13000 | 10000 |
主な用途 | 顔料分散剤、フィラー分散剤、流動性向上剤 |
色数:ハーゼン法、 融点:DSC法、 溶融粘度:140℃、 分子量:高温GPC法
機能 | 分散 (主に顔料) | 離型 | 粘度調整 | 潤滑 |
---|---|---|---|---|
対象樹脂 共通 サンワックス ビスコール | PE PP | EPDM | PE PP | ABS PBT PVC PPS PC PS |
メカニズム | ポリオレフィンワックスが顔料と樹脂の間に入り込むことで、分散性を発現 | ポリオレフィンワックスが表面に移行しやすいため離型性が発現 | 低分子量物を加えることで成型時の流動性を向上させる | ポリオレフィンワックスは上記樹脂との相容性が小さく、表面に移行しやすいため外部潤滑剤として働く |
ポリオレフィンワックスを添加することでPVCとステアリン酸塩を溶融混錬した際の抵抗値(トルク)が低下します
PVC : 100wt%, ステアリン酸カルシウム: 2.5wt%, ステアリン酸亜鉛: 1.0wt% , ジオクチル錫マレートポリマー: 0.5wt%滑剤: 0.3-1.0wt%をラボプラストミルを用い溶融混練(ミキサー部温度:180, 190, 200°C、スクリュー回転数:50rpm)した際の混練抵抗値を測定した。
130°C、3時間事前乾燥したポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂とサンワックス161-P(0.5wt%)を二軸押出機で混練し(250°C)、射出成形機を使用して(成形温度:250°C、金型温度:50°C)、試験片を作成した。
せん断粘度: キャピラリーレオメーター法(240°C、608/sec)引張試験: ASTM D638、曲げ試験: ASTM D790に準拠。
ビスコール 無添加 | ビスコール開発品(1wt%添加) | ビスコール開発品(2wt%添加) | |
---|---|---|---|
スパイラルフロー流動長(mm) | 1250 | 1390 | 1430 |
表面平滑性(Ra値)(μm) Ra値が小さいほど平滑 |
7.1 | 5.0 | 4.8 |
引張強度(MPa) | 118 | 116 | 112 |
曲げ強度(MPa) | 171 | 168 | 167 |
長繊維ガラス繊維/PP樹脂ペレット(ガラス繊維含量:30wt%)とビスコールをドライブレンドし、射出成形機を使用して(成形温度:250°C、金型温度:50°C)、引張、曲げ試験用試験片を作成した。
スパイラルフロー流動長:長繊維ガラス繊維/PP樹脂ペレット(ガラス繊維含量:30wt%)とビスコールをドライブレンドし、スパイラルフロー金型(アルキメデス螺旋)に射出し、流動長を測定した。(成形温度:230°C、金型温度:50°C、射出圧力30kgf/cm2、金型流路幅:6mm、流路厚:3mm)、表面平滑性:レーザー顕微鏡を用いRa値を測定した。引張試験: ASTM D638、曲げ試験: ASTM D790に準拠。
本品を取り扱うにあたっては、本品および副資材(化学品)の「安全データシート」(SDS)を事前に必ずお読みください。なお、SDSはこちらからも入手できます。 https://www.sanyo-chemical.co.jp/products/sds/
PPワックス『ビスコール』シリーズ
ビスコール 330-P、 ビスコール 440-P、 ビスコール 550-P、 ビスコール 660-P
PEワックス『サンワックス』シリーズ
サンワックス 131-P、 サンワックス 151-P、 サンワックス 161-P、 サンワックス 171-P